経営者、15歳に仕事を教える
書店でふと目に留まったので読んでみました。
著者の北城氏は、元日本IBMの社長をやってらっしゃった方。
IBM社長になるまでの自身の仕事に対するスタンス、IBMの社長だった頃、どういう考え方で社員を処遇するのかという基本的な考え方、そして、日本の若者はこれから何を考えて仕事に携わっていくべきかについての彼の考えが書いてあります。
出世以前の北城氏は、特にエリートコースでもなく、自分ができる目の前のことを一生懸命にやってきた中で、ある日突然陽が当たるところに引っ張り出されたそうです。詳細に書かれているわけではないので、リアリティには欠けますが、自身で「エリートコースから外れていた」と書いてあるところから鑑みるに、心の片隅ではなんらかのコンプレックスを感じていた部分もあるのかなと思いました。ただ、コンプレックスに負けて流されるのではなく、とにかく自分ができることに集中することが重要だと言いたいのかもしれません。
で、IBMの話ですが、ご存知のように、かつてのIBMはコンピューターを売る会社でした。現在は、主にコンピューターに関連するサービスを提供することで、経営推進をしています。この変遷に伴い、社員に対して要求する結果も変わってくるのは自然の流れです。要求が変われば人事制度も変わるわけです。社員が環境の変化に対応できる柔軟性を持っていたから、IBMという世界的大企業は、自らの業態を短期間のうちに変化させることができたのだと思います。
環境に対する変化を社員に求める一方、国レベルでも環境変化に順応していかなければ国力が下がってしまうことを、北城氏は懸念しています。
具体的に言うと、日本には起業家が少ないこと。この状況を、北城氏は、社会習慣の違いによるものだとしています。
アメリカでは、最優秀な人材は起業し、起業できない者はベンチャーに就職、さらに能力が足りない場合、大企業や官僚になるそうです。日本とはまったく逆の流れ。
これでは、世界を凌駕するようなベンチャー企業は、なかなか現れないの自明です。
現在の日本の教育においても、まだ仕事に就く前の若者たちにとって、「仕事」を考える機会も材料もあまりありません。
そこで北城氏は、自らの経験を若人に共有する機会を持つために教壇に立っているそうです。
このスタンス、尊敬できるなとシンプルに感じます。
大学受験の際、何になりたいから○○学部を選ぶということは、正直できませんでした。
何も考えてなかったからです。将来は、こうなりたいとかそういうことより、目の前の文化祭や遊びに夢中に暮らしていて、ある日突然、人生を直視する状況になる。
教育制度云々ではなく、自分の体たらくによるところが大きいように思いますが、北城氏のような経営者が直接話をしてくれる機会があるというのはラッキーな環境だなとうらやましく思いました。
20代中盤の起業家が、あふれる世の中が来ても対抗できる力を、しっかりと身につけていきたいなと。
2009年10月22日 13:28
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